2025年12月12日、澤田純 NTT会長が本学を訪問され、常田所長との打ち合わせを行いました。その後、高度技術者教育プログラムの開発現場を見学され、惑星探査研究センターの原田研究員が、プログラムの具体的な内容について説明を行いました (写真)。澤田会長は「このような実践的な教育プログラムは今の日本にとって非常に重要だ」と述べ、強い関心を示されました。
Author: Tomoki Morokuma
常田所長 India International Space Conclave 2025 (IISC 2025) に出席
2025年11月18日・19日、India Space Associationの主催のもと、India International Space Conclave 2025 (IISC 2025) がインド・デリーで開催されました。常田所長は官民合同の代表団を率いて本会合に出席しました (国立天文台による紹介)。 冒頭セッションでは、在インド日本国大使館の有吉孝史次席公使が挨拶を行い、日印科学協力の代表的な取り組みとして、月の水を探査するJAXA–ISRO共同のLUPEX計画 (Lunar Polar Exploration Mission: 月極域探査計画) や、ハワイに建設予定で日印が参加するTMT (Thirty Meter Telescope、30メートル望遠鏡) を紹介されました。 続いて「India–Japan Space Partnership: Fostering a Collaborative Space Eco-System」と題するセッションにおいて、常田所長が基調講演「Current Status and…
2025年度 すばるユーザーズミーティング 開催・参加
2025年10月29-31日に国立天文台・三鷹キャンパス(東京都三鷹市)で「2025年度 すばるユーザーズミーティング(UM)」が開催され、諸隈・秋田谷が参加しました。2025年1月の開催に引き続き、諸隈は開催の世話人をつとめるとともに、すばる科学諮問委員会(SAC)委員長として講演・議論のリードなどを行いました。 今回のUMでは、例年行われている観測所からの報告・科学成果の発表の他に、観測運用が始まったPrime Focus Spectrograph (PFS)、将来の観測装置計画、2030年代のすばる望遠鏡のあるべき姿を議論する「すばる3」、30m望遠鏡TMT・Roman宇宙望遠鏡・LSSTなどの大型計画との共同観測研究などのセッションが設けられ、活発な議論が行われました。 また、すばるUM初日前日の10月28日には、PIタイプ装置ワークショップが開催され、諸隈がSACの代表として講演を行いました。すばる望遠鏡には、観測所の運用するfacility装置以外に、ユーザコミュニティからの持ち込みで観測を実施するPIタイプ装置が複数あります。PIタイプ装置は、facility装置にはないユニークな機能を備えた観測装置で、その一部は将来のための技術実証を目的として試験が行われたりもしています。 すばるユーザーズミーティング及びPIタイプ装置ワークショップの詳細は下記リンクをご覧ください。 研究会ホームページ: 2025年度すばるユーザーズミーティング・PIタイプ装置ワークショップ
ハワイ郡長 Kimo Alameda氏来訪
2025年10月9日、米国・ハワイ島を管轄するハワイ郡の郡長Kimo Alameda 氏が本学を訪問されました。Merrick Nishimoto 副郡政管理官、国立天文台から寺田宏 准教授、進藤美和 特任専門員も同行されました。 訪問の冒頭では、常田佐久 所長との懇談が行われ、ハワイ島を取り巻く社会・経済的な情勢から、ハワイ島マウナケア山頂の望遠鏡群に至るまで、幅広い話題が交わされました。マウナケアは世界有数の天文観測サイトとして知られ、国立天文台が運用するすばる望遠鏡をはじめ、数多くの大型望遠鏡が稼働しています。 その後一行は、本学の高度技術者育成プログラムにおける学生によるキューブサット開発の現場や工作センターを視察し、さらに未来ロボット技術研究センター (fuRo) での研究成果・デモンストレーションも見学されました。 Alameda 郡長は、ハワイ島における産業の活性化や教育レベルの向上といった観点から、本学の取り組みに強い関心を示されました。本センターの諸隈智貴研究員および秋田谷洋研究員も、マウナケアの望遠鏡での観測や観測装置の試験のために現地を訪れる機会が多く、マウナケア山頂の環境は我々の研究にとって欠かすことのできない場となっています。今回の訪問は、ハワイ島と本学との結びつきをさらに強める貴重な機会となりました。 (写真は国立天文台・進藤氏提供)
常田所長 岐阜大学にて講演
常田所長は、2025年10月20日に岐阜大学において、学生および教職員を対象に「技術の時代――要素とシステムを制するものが宇宙を制する」と題した講演と質疑応答を行いました (写真)。当日は多くの参加者が集まり、活発な意見交換が行われました。 あわせて、岐阜大学11m電波望遠鏡や超小型衛星「ぎふハイスクールサット」の運用現場を見学し、同大学の宮坂教授、佐野准教授をはじめとする関係者の方々から説明を受けました。 常田所長は、「講演では多くの参加者が集まり、質の高い質問も多数寄せられ、岐阜大学の学生の問題意識の高さを強く感じました」と述べています。 また、岐阜工業高等専門学校および岐阜工業高等学校を訪問し、先生方との懇談や関連施設の見学を行いました。
常田所長 日本学術会議でパネル討議に出席
2025年10月5日、常田所長は、日本学術会議が主催した学術フォーラム「米国科学技術政策の転換、その影響を考える」において「米国における大型科学計画」と題した話題提供を行い (写真・左下)、あわせてパネル討論に参加しました (写真・右下)。本フォーラムでは、米国の科学技術政策の変化が国際的な研究活動に与える影響について、活発な意見交換が行われました。なお、常田所長の発言概要は、日経新聞の記事でも紹介されています。 写真: (左) 「米国における大型科学計画」について話題提供、(右) パネル討論のメンバー
太陽観測衛星「ひので」・すばる望遠鏡が「未来技術遺産」に登録
国立科学博物館は2025年9月10日、科学技術の歴史に大きな意義をもたらした重要科学技術史資料 (未来技術遺産) に、世界最大級 (当時) の鏡を使った「すばる望遠鏡」、太陽観測衛星「ひので (SOLAR-B)」など14件を新たに登録すると発表しました。 国立天文台・前台長であり、ひので衛星の望遠鏡の開発・運用責任者も務めた常田所長は、朝日新聞の取材に対して「望遠鏡は、電気・機械・制御・熱などの要素を精密に組み合わせる技術が必要で、日本のものづくりの力が科学的成果に結びついた」と話しています。(朝日新聞・記事)
本センター最初の講義「現代天文学入門」終了
天文学研究センターでは、2025年度前期に本学学部生向け講義「現代天文学入門」を開講しました (開講時記事はこちらを参照)。本センターとして初めての講義となる本科目は、常田佐久所長・諸隈智貴研究員・秋田谷洋研究員が担当し、本学の様々な学部・学科から100名を超える学生が履修しました。7月10日に全13回の講義を終え、予定された日程をすべて終了しました。 講義では、「天文学とは何か」という題目に始まり、太陽などの恒星及びその形成過程、銀河、ブラックホール、マルチメッセンジャー天文学、天文ビッグデータなどを扱い、天文学全体をできるだけ網羅する形で広い範囲をカバーしました。また、4次元デジタル宇宙ビューワー Mitaka (国立天文台・4次元デジタル宇宙プロジェクト) を用いた宇宙ツアー体験、身近な素材で行う簡易分光器 (川野元氏による天文月報記事; 2006年) の製作実習 (下写真)、市民参加型研究プロジェクト Galaxy Cruise (国立天文台) を用いた銀河の形態調査も行いました。 受講した学生さんが本講義を通じて宇宙の広がりと多様性に触れ、天文学の基礎知識や観測の最前線に理解を深められたことは大きな成果です。今後、この経験は科学的に物事をとらえる視点や課題に取り組む姿勢として役立つことでしょう。本センターとしても、この講義が学生の新たな関心や将来の進路選択に少しでも寄与できれば幸いです。
「宇宙大国への夢、100年後の日本」
常田所長は、月刊誌 Voice 2025年9月号に「宇宙大国への夢、100年後の日本」という題目で寄稿しました。今後、宇宙は科学技術・産業振興・安全保障・国際協力の観点から国の未来を形作る重要な柱となっていきます。宇宙開発の意義、百年後の宇宙開発、民間主導への大転換と宇宙戦略ファンドの挑戦、深化する国際協力と安全保障の新たな視点、人材育成の未来と国民へのメッセージについて語っています。
スペイン・IAC (カナリア天体物理学研究所) 所長 Valentín Martínez Pillet 氏来訪
2025年7月4日、スペイン・カナリア天体物理学研究所 (Instituto de Astrofísica de Canarias; IAC) の所長 Valentín Martínez Pillet 氏が本学を訪問しました。今回の訪問は、IACが運用する口径10.4m望遠鏡 GTC (Gran Telescopio Canarias) と、国立天文台が運用する口径8.2mすばる望遠鏡との間で進められている共同研究 (GTC-Subaru Collaboration) に関して、意見交換を行うことを主な目的とするものでした。 本学天文学研究センターからは常田佐久所長、諸隈智貴研究員、秋田谷洋研究員、国立天文台からは齋藤正雄副台長、吉田道利副台長 (オンライン参加)、宮崎聡教授・ハワイ観測所所長、冨永望教授、東北大学からは田中雅臣教授、木村成生准教授が参加し、日西共同による大型望遠鏡を活用したマルチメッセンジャー天文学・突発天体天文学の推進に向けた活発な議論が行われました。 冒頭では、常田所長より本学および本センターの概要紹介がなされ、引き続き約2時間にわたって、これまでの共同研究の成果と今後の進め方、特に重点的に取り組むべき科学目標について、特にマルチメッセンジャー天文学に重点をおいた議論が交わされました。GTC-Subaru Collaborationは、本センターの諸隈研究員が日本側の代表として、国内及びIAC研究者との協力のもと、推進しているプロジェクトです。短時間ながらも実りの多い意見交換がなされ、今後の連携の方向性が明確になる大変有意義な機会となりました。 訪問の最後には、本学が推進する高度技術者教育プログラムの現場を見学し、惑星探査研究センターの原田研究員より活動内容の紹介が行われました。Martínez Pillet 所長からは、本学のユニークな教育活動に強い関心が示され、望遠鏡・観測装置の開発を支える工学の重要性についても、会議の参加メンバーとの間で意見が交わされました。
