TMT (Thirty Meter Telescope 30m望遠鏡) は、ハワイ島マウナケア山頂に建設予定の世界最大級の望遠鏡で、日本が主力メンバーとして参加しています (https://tmt.nao.ac.jp/)。TMT国際天文台評議会は、その運営方針や重要事項を決定する会合で、参加機関の代表で構成されています。常田所長は、評議会の共同議長を務めています。 2024年8月、10月に引き続き、2025年2月に開催された評議会では、TMTの建設再開に向けた審議や議決が行われました。常田所長は「TMTを絶対に建設するとの覚悟で評議会を運営している」と語っています。
akitaya
北海道芦別市での小学生向け講演会
2025年1月15日に北海道芦別市が開催した講演会「冬季やさしいサポート教室」において、秋田谷(天文学研究センター・惑星探査研究センター上席研究員)が「星空ツアーと宇宙のなはし」と題して講演を行いました。芦別市内の小学校から23名のお子さんに参加いただきました。 国立天文台が提供するシミュレータソフトウェアMitakaを用いてスクリーン上で宇宙の広さを実感してもらったあとで、最近の夜空のみどころや将来の月食・日食の案内を行いました。お子さん達からの元気な反応が絶えず、最後まで楽しくお話させていただきました。 市域の約9割が森林に覆われる芦別市では「星の降る里」を宣言し、美しい夜空を活かしたまちづくりを進めています。お子さん達にとって、今回の講演が夜空を眺めるきっかけになり、自分たちのまちの素晴らしさを再認識する機会になれば幸いです。 講演会について、北海道新聞記事(1/16日付)および芦別市広報誌「広報あしべつ」令和7年2月号において紹介されました。また、今回の訪問では荻原貢芦別市長にも歓迎いただきました。市長へのご挨拶については、芦別市ウェブページ内「市長動静」に掲載されました。
常田所長が「九州宇宙開発ビジネス交流会・鹿児島県宇宙ビジネス創出推進研究会」で講演
常田所長が、九州航空宇宙開発推進協議会、鹿児島県、経産省九州経済産業局共催の標記会合で、「宇宙政策の最近の動向と宇宙ビジネス」という題目で講演を行いました (https://kyukoukyo.jp/project/spacebiz/events/kagoshima-spacebiz/)。 「40年強の研究者生活で、内之浦の射場に通算1年近くいたことになろうか。内之浦町(肝付町)の方々に研究を支えていただいた。研究者の交流の場としての役割も大きかった。ありがとうございます。」と述べて、講演を締めくくりました。企業関係者によるパネル討論や講演もあり、宇宙ビジネス、行政、学術、非宇宙ビジネスなど幅広い方々がオンラインも含めて約500人出席しました。
常田所長 AURA Solar Observatory Councilに出席
Association of Universities for Research in Astronomy (AURA、天文学研究のための大学協会) は日本ではあまり知られていませんが、米国において、地上宇宙を問わず国立科学財団 (NSF) と NASA の世界最先端の観測施設の運用等を一手に引き受けている非営利組織です。AURAの運用する観測所群には、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡 (JWST) やハッブル望遠鏡のほか、まもなく運用の始まるルービン天文台などがあります。コロラド州ボルダーとハワイのマウイ島にあるアメリカ国立太陽天文台 (NSO) もAURAの運用する主要観測施設の一つです。AURAのSolar Observatory Council (太陽天文台評議会) の評議員として、常田所長がマウイ島で開催された評議員会に出席しました。 評議員会では、NSO全体、特に主力望遠鏡のダニエル・K・イノウエ太陽望遠鏡 (DKIST) の運用状況について、技術面、科学成果の創出状況、予算や人員体制などあらゆる面から検討します。これには、NSOの将来計画の検討も含まれます。評議会は、AURAへの推奨事項を含む報告書をまとめて、終了しました。評議員会にはAURA長官・副長官も出席しており、ボトムアップとトップダウンがいっしょになって米国の太陽の研究を盛り立ていく体制は見習いたいものです。
常田所長がフランス ル・ブルジェ航空宇宙博物館の科学諮問会議に出席
フランスル・ブルジェ航空宇宙博物館科学諮問会議委員として、同博物館の科学諮問会議に出席しました。 パリ郊外のル・ブルジェにある航空宇宙博物館(Le musée de l’Air et de l’Espace (MAE) du Bourget) は1919 年に設立され、世界最古かつ最大級の航空宇宙博物館といわれています。この博物館は、フランス国防省下の行政機関で、民間と軍事、フランスと海外の航空分野全体を展示するという使命があります。科学諮問会議の議長は、CNES(フランス宇宙機関)のジャック・アルヌールさんで、宇宙機関に所属する哲学者・倫理学者として知られています。外国人委員は、ドイツと日本からそれぞれ1名で、フレンチな雰囲気の中で異邦人となるかと思いましたが、館長、議長などから歓迎されました。
せいめいUM・日本天文学会2024年秋季年会にて講演
せいめいユーザーズミーティング 2024年9月9-10日に倉敷芸文館(倉敷市)で「2024年度せいめいユーザーズミーティング(UM)」(岡山天文台3.8mせいめい望遠鏡に関わる研究会)が開催されました。 秋田谷が「Development of the near-ultraviolet imager at Kanata Telescope」と題するポスター講演+短時間口頭講演を行いました(写真左)。 研究会プログラム: 2024年度せいめいユーザーズミーティング 日本天文学会2024年秋季年会 2024年9月11-13日に関西学院大学三田キャンパスで「日本天文学会2024年秋季年会」が開催されました。 観測機器(光赤外線・重力波・その他)セッションにおいて、秋田谷が「近紫外線における装置効率を追求した撮像装置の開発と初試験観測」と題した口頭講演を行い、天文学研究センターで開発・運用を進めている近紫外線観測装置SCUIDについて報告しました。 また、諸隈が「東広島天文台における近紫外線波長帯での大気透過率及び空の明るさの測定」と題したポスター・短時間口頭講演を行い、近紫外線観測装置SCUIDを運用する東広島天文台における近紫外線の空の透過率・明るさの測定結果について報告しました(写真右)。 日本天文学会2024年秋季年会・観測機器セッションプログラム・予稿: 観測機器(光赤外線・重力波・その他) 今回の一連の研究会で報告した近紫外線観測装置は、2024年秋から東広島天文台かなた望遠鏡に常駐させて、本格的な科学観測運用を開始する予定です。
「すばる3研究会」において講演
2030年代のすばる望遠鏡による観測研究の展開を検討する「すばる3研究会」が2024年8月29-30日に国立天文台・三鷹キャンパスで開催されました。 天文学研究センターからは秋田谷が参加し「これからの地上からの近紫外線観測」と題する招待講演を行いました。また、諸隈は研究会の共同世話人を務めました。 講演資料・プログラムは研究会web pageにて公開されています。
COSPAR2024で常田所長が講演
2024年7月14日-21日に、韓国・釜山においてCommittee on Space Research (COSPAR)の総会が開催され、60カ国から約3000名の参加がありました。 そのうちの一セッション、”COSPAR-2024-D2.1: OFF-THE-SUN-EARTH-LINE(OSEL) MISSIONS” (宇宙天気関係のセッション)において、常田所長が ”Envisioning of Japan’s Space Program and Future International Collaborations”(予稿pdf)と題した招待講演(solicited talk)を行いました。
Publications in June and July 2024
The paer on the oculltaion observation and shape estimation of the asteroid 2001 CC21 was published (Arimatsu et al. 2004). The paper on the blazars with the IXPE collaboration was accepted (arXiv:…
小惑星 2001 CC21 の形状推定に関する査読論文が出版されました
小惑星探査機「はやぶさ2」がフライバイを予定している小惑星 2001 CC21 による掩蔽観測を行い、そのデータに基づく詳細な形状のデータを推定することに成功しました。 本成果は、Publications of the Astronomical Society of Japan に2024年7月23日付で報告されました。 京都大学、産業医科大学、岡山大学、千葉工業大学ほかの研究者および多数のアマチュア観測者からなる共同研究グループによる成果です。天文学研究センターからは秋田谷が共同研究者として参加しています。 研究紹介記事が、惑星探査研究センター(秋田谷が併任として所属)のweb プレスリリースとして公開されました。 2024/8/5追記 京都大学からのプレスリリースが公開されました。新聞記事にも掲載されました。