本学で「現代天文学入門」(総合科学特論)という講義を開始しました。「天文学とは何か?」「宇宙とは何か?」という問いかけから出発し、天体観測の原理、恒星や銀河といった天体の性質、そして宇宙全体の構造と進化まで、天文学の基礎から最新の研究成果に至るまでを網羅的に取り上げます。宇宙に関する多様なトピックを扱い、それぞれのテーマについて平易に解説することで、天文学の全体像を把握し、宇宙への理解を深めることを目指します。天文観測とは何か、私たちはどのようにして宇宙の姿を知るのか — そうした問いにも触れながら、観測を支える望遠鏡や観測装置の仕組みや工夫についても紹介します。日常では遠く感じられる宇宙に科学的な視点から光を当てることで、学生たちの新たな発想や関心が生まれることを期待しています。
工業大学において工学を学ぶ学生に、自然科学としての天文学を学ぶ機会を提供することには、大きな意義があると考えています。ものづくりや技術開発に取り組む上でも、自然そのものへの理解や好奇心は創造性の源となり得ます。宇宙という極限の世界を科学的に捉える視点が、学生たちの視野を広げ、将来の技術的挑戦に新たな刺激・ヒントを与えてくれることを期待しています。