ITER (イーター) は、核融合エネルギーの実用化を目指した国際プロジェクトで、日本を含む7国が参加し、南フランスで核融合炉の建設が進められています。ITERは、入力エネルギーの約10倍のエネルギーを長時間に渡って取り出せることを、科学的・技術的に示すことを目的とした実験炉です。マルセイユ近郊に建設中のITERを視察し、関係者と懇談しました。今回面談した3人の方々は、経営層に近い職責ないし上級マネジャー職にある日本人で、使命感をもって任務に取り組んでおられることに強い印象を受けました。日本人職員数は、その出資比率約9%に比べてやや少ないようで、この巨大事業にもっと日本人が加わると良いと感じました。このためには、日本国内でITERの重要性がもっと認識され、注目される存在になることが大事だと思います。
写真は核融合炉の真空容器の一部です。高さ約11m・幅6mのこのセクターが9個集まって、変形ドーナツ型の巨大真空容器となります。真空容器を保持する巨大な治具に注目してください。これらは、一つ一つ核融合炉棟に運ばれ、組み立てられます。