常田所長は、2025年7月に米国・ワシントン、8月・10月にハワイを訪問し、関係各所とTMT計画に関する議論を行いました。
超大型望遠鏡を北半球 (TMT; Thirty Meter Telescope) と南半球 (GMT; Giant Magellan Telescope) にそれぞれ一台建設するUS-ELT (United States-Extremely Large Telescope)プログラムのもとで、日本は米国2大学、カナダ、インドとともにハワイ島マウナケアに建設するTMTの主要メンバーとして参加しています。US-ELTは、2021年に発表されたAstro2020 (全米科学アカデミーが10年に一度、今後建設すべき天文学の大型計画について優先順位付けをするもの) において最優先プログラムとして選定され、米上下両院は一貫してTMTとGMTの2観測所体制によるUS-ELTを支持してきました。
しかし、トランプ政権の2026会計年度National Science Foundation (NSF) 予算教書では、南半球に建設予定のGMTのみが選定されました。
この状況を受けて、7月20日の週に米上下両院の議員および議員スタッフ、ホワイトハウスへの働きかけを行うために出張しました。在ワシントン日本大使館の支援を受けて、1週間かけて、7件の議員事務所、下院議会 歳出委員会 商務・司法・科学 (CJS) 小委員会事務局、米国大統領府 行政管理予算局 (OMB)、2つのシンクタンクを周り、状況の説明とアドバイスを受けました。その結果、本件の日米科学技術協力および地政学的観点からの重要性について各方面に理解いただき、有益なアドバイスを得ることができました。
8月20日の週には、ハワイを訪問し、在ホノルル総領事、ハワイ大学学長、ハワイ郡長、ハワイ州選出連邦議員等と面談し、連邦議員及び議会関係者との会合の様子を報告しました。TMTのハワイ建設に向けた日本政府の取り組みを説明すると同時に、今後の打開策について、これらのハワイのリーダーの方々と日本が協力して当たることを確認し、今後の対応に資する種々のアドバイスもいただきました。
TMTの進展が急速であることから、同10月にもハワイを訪問し、TMT建設に向けたハワイの状況を改善する必要のあることについて、多くの方々と意見交換しました。
関連記事: 国立天文台TMTニュースレター No.89
