常田所長は European Southern Observatory (ESO; 欧州南天天文台) Visiting Committee 2025 (国際外部評価委員会) の委員を務めています。この委員会は、ESOの組織としての現状や全体的な地位および業績の質について助言するために開催され、前回は2018年に行われました。具体的な役割は、ESOがその戦略的枠組 (使命・ビジョン・価値・戦略) をどの程度順守しているかを評価し、戦略目標の達成状況を検証することです。委員会は9名の委員よりなります。
ESOは、欧州16か国の多国間条約に基づいて1962年に設立されました。各国のメンバーよりなる評議会を通じて政策や予算を決定しており、欧州が一国では成し得ない巨大科学を条約型国際機関という法的仕組みで支え、持続的に発展させている成功例です。
2025年9月にドイツ・ミュンヘンのESO本部にて、1週間もの間、朝から夕方までプレゼンと質疑等が行われました。11月には、チリ北部の砂漠地帯を移動しつつ、ESOの主要観測施設であるパラナルの VLT (4台の口径8メートルの可視赤外望遠鏡)、アタカマのALMA (日本も参加している電波干渉計)、アルマゾネスのE-ELT (口径40メートルの可視赤外望遠鏡・写真上) の建設現場等の視察を行い、施設幹部との意見交換、職員との懇談会も行いました。
2回のESO訪問により、ESOの全体像を把握することができました。成功している欧州の天文台から学ぶところ大であり、我が国の学術の推進体制を考える上でも、大きな示唆を得ることができました。

写真1: VLTの近赤外線高解像度観測装置GRAVITYの運用を見学

写真2: 建設のためのベースキャンプから見上げたE-ELT

写真3: 砂漠の中のパラナル観測所の地下宿泊施設の見学
