写真: 文部科学省での科学技術教育アドバイザーの委嘱式。前列右から2人目が常田所長。中央は提案者の赤池誠章参議院議員、その左は赤松健文部科学大臣政務官、右端は井上科学技術・学術政策局長 (2025年5月22日)。 STEMという言葉をご存じでしょうか?STEMとは、以下の4つの分野の頭文字をとった言葉です: STEMは、これらの分野に関連する教育・研究・職業を総称する概念であり、21世紀のイノベーションや経済成長を支える基盤とされています。STEM教育は、論理的思考力、問題解決力、創造力を養うことを重視し、グローバルな競争力を持つ人材の育成を目的としています。 STEMはご存じの方も多いと負いますが、STEAMはどうでしょうか?STEAMは、STEMに「A=芸術・創造性」の要素を加えた教育アプローチで、理系と文系の融合による創造的思考力と課題解決力の育成を目指します。デザインや表現力、文化的視点を取り入れることで、より柔軟で革新的な人材を育てることが期待されています。 文部科学省は、STEAMの推進のため科学技術教育アドバイザー制度を立ち上げ、常田所長が科学技術教育アドバイザーの一人に任命されました。常田所長の科学技術教育アドバイザー就任に当たってのモチベーションは以下の通りです: また、この内容は2025年6月2日付の週刊文教ニュース(2856号)に掲載されました(下写真)。 2025年、常田所長は科学技術教育アドバイザーとして以下のような活動を行いました。 ・岐阜大学での「宇宙工学講座」開講式でのNASA特別講演実施 (2025年6月22日) 常田所長は、2025年6月22日に行われた、高校生を対象とした岐阜大学主催の「宇宙工学講座」開講式にて、アンディ・マッシオーラ NASA アジア代表による特別講演「NASAと宇宙探査 (NASA and Space Exploration) 」を企画・実施しました、講演会には、高校生に交じって、江崎禎英 岐阜県知事、吉田和弘 岐阜大学長も出席され、盛況でした。聴衆の高校生からは多くの質問があり、その一つ一つにマッシオーラさんが丁寧に回答されていました。「参加した高校生たちが今後それぞれの進路を歩んでいく中で、マッシオーラさんのお話がを心に残ることと思います」と常田所長は語ります。 ・岐阜工業高校を訪問 (2025年10月19日) 常田所長は、2025年10月19日、岐阜工業高校を訪ね、堀秀樹校長との懇談と実習施設の見学を行いました。堀校長を初め先生方の技術者教育に取り組む熱意、学生の質の向上と高い就職率・進学率についてのご説明、岐阜県や民間企業の協力による実習設備の充実等に強い感銘を受けました。工業高校の卒業生が、これからの日本の技術の現場を支えるようになるとの認識を新たにした訪問でした。訪問に当たっては、岐阜大学の宮坂武志教授にお世話になりました。記して感謝いたします。 ・岐阜大学での講演 (2025年10月20日) (2025年12月22日追記)
Author: Tomoki Morokuma
すばる望遠鏡PFSを用いた重力波イベント追観測を実施
2025年3月28日、重力波望遠鏡ネットワーク (LIGO・Virgo・KAGRA) が重力波イベント S250328ae を検出しました (GCN 39898)。このイベントは、天球上での到来方向が約25平方度 (90%存在確率) という比較的高い精度で決定されました。重力波の波形から、ブラックホール同士の合体により放射された重力波であると考えられ、そのような合体現象が電磁波を放射するかどうか、放射する場合は起源の特定が追観測により期待される事例でした。 私たちの研究チーム (The Japanese Collaboration for Gravitational-Wave Electro-Magnetic Follow-up; J-GEM) は、すばる望遠鏡に新しく搭載された多天体分光装置 Prime Focus Spectrograph (PFS) を用いて、S250328ae の到来方向に位置する近傍の銀河や、他望遠鏡によって発見された突発天体に対する分光観測を実施しました。観測した突発天体の多くは、南米チリにある 4m望遠鏡CTIOの広視野カメラDECamを用いて研究を進める DESGW (Dark Energy Survey Gravitational Wave) チームとの共同研究により提供されたものでした。また、この観測は、2025年3月のPFSの運用開始後の最初の観測ランにおいて行われた、PFSを用いた初のToO (Target-of-Opportunity) 観測(*)となりました。…
常田所長 東京大学宇宙線研究所の国際外部評価に参加
東京大学宇宙線研究所(ICRR)の研究活動を外部有識者が評価する「ICRR外部評価委員会」が2025年5月14日から3日間、東京大学・柏キャンパスの宇宙線研究所で開かれました。常田所長は、同委員会の委員長を務めました。詳細は、以下の東京大学宇宙線研究所の発表をご覧ください。日本語版: https://www.icrr.u-tokyo.ac.jp/news/16433/英語版: https://www.icrr.u-tokyo.ac.jp/en/news/16447/
朝日カルチャーセンター横浜教室にて講演
5月17日(土)、朝日カルチャーセンター横浜教室にて、諸隈研究員が「すばる望遠鏡25年の挑戦」講座の第3回を担当し、「動的宇宙の解明:すばる望遠鏡と時間軸天文学」と題して講演を行いました。 講演では、すばる望遠鏡の最大の特長の一つである主焦点広視野撮像カメラSuprime-CamおよびHyper Suprime-Camの紹介に始まり、それらを用いた時間軸天文学の研究成果として、超新星爆発やマルチメッセンジャー天文学に関する話題が紹介されました。共同利用観測が始まったばかりの新観測装置PFSや、すばる望遠鏡を用いた時間軸天文学の今後の展望についても触れられました。講演後には、対面・オンライン双方から非常に質の高い質問が多数寄せられました。
常田所長 TMT国際天文台の米国での評議会に出席
2025年2月に引き続き、4月23-24日に米国・パサデナで TMT (Thirty Meter Telescope; 30m望遠鏡) 国際天文台の評議会が開催され、技術開発、財務、ハワイやNSF、各パートナーの状況報告が行われ、活発な審議が行われました。常田所長は、評議会の共同議長を務めました。 写真: 司会をする常田所長 参考ページ– 2025年2月のTMT国際天文台評議会のニュース– 国立天文台・TMTブログ
「現代天文学入門」開講 – 宇宙を学ぶ新たな視点を –
本学で「現代天文学入門」(総合科学特論)という講義を開始しました。「天文学とは何か?」「宇宙とは何か?」という問いかけから出発し、天体観測の原理、恒星や銀河といった天体の性質、そして宇宙全体の構造と進化まで、天文学の基礎から最新の研究成果に至るまでを網羅的に取り上げます。宇宙に関する多様なトピックを扱い、それぞれのテーマについて平易に解説することで、天文学の全体像を把握し、宇宙への理解を深めることを目指します。天文観測とは何か、私たちはどのようにして宇宙の姿を知るのか — そうした問いにも触れながら、観測を支える望遠鏡や観測装置の仕組みや工夫についても紹介します。日常では遠く感じられる宇宙に科学的な視点から光を当てることで、学生たちの新たな発想や関心が生まれることを期待しています。 工業大学において工学を学ぶ学生に、自然科学としての天文学を学ぶ機会を提供することには、大きな意義があると考えています。ものづくりや技術開発に取り組む上でも、自然そのものへの理解や好奇心は創造性の源となり得ます。宇宙という極限の世界を科学的に捉える視点が、学生たちの視野を広げ、将来の技術的挑戦に新たな刺激・ヒントを与えてくれることを期待しています。
オーストラリア滞在 2025
諸隈 智貴 研究打ち合わせのため、2月末からオーストラリアに来ています。パースの University of Western Australia で約10日間過ごし、3月7日からはシドニー・Marsfieldにある CSIRO (Commonwealth Scientific and Industrial Research Organisation) の ATNF (Australia Telescope National Facility) に滞在しています。 昨年、約3週間の滞在中にATNFのBaerbel Koribalski氏と”奇妙な電波サークル” (Odd Radio Circles; ORCs[*])に関する共同研究を開始しました。今回の滞在では、最近取得した Keck 望遠鏡 KCWI による可視光面分光データ…
2024年度 すばるユーザーズミーティング 開催・参加
すばるユーザーズミーティング 2025年1月28-30日に国立天文台・三鷹キャンパス(東京都三鷹市)で「2024年度 すばるユーザーズミーティング(UM)」が開催され、諸隈・秋田谷が参加しました。すばるUMは、国立天文台の運用する口径8.2mの大型光学赤外線望遠鏡である すばる望遠鏡(米国・ハワイ島・マウナケア山) のユーザが集まり、すばる望遠鏡の現状・将来に関する議論・研究成果の発表などを行う場で、1年に一度、開催されています。2024年度の今回は、諸隈がすばる科学諮問委員会(SAC)委員長及び世話人として、SAC活動報告・諸々の議論のリード・UM開催の準備等を行いました。本ユーザーズミーティングの詳細は下記リンクをご覧ください。 研究会ホームページ: 2024年度すばるユーザーズミーティング
常田所長 ITER訪問
ITER (イーター) は、核融合エネルギーの実用化を目指した国際プロジェクトで、日本を含む7国が参加し、南フランスで核融合炉の建設が進められています。ITERは、入力エネルギーの約10倍のエネルギーを長時間に渡って取り出せることを、科学的・技術的に示すことを目的とした実験炉です。マルセイユ近郊に建設中のITERを視察し、関係者と懇談しました。今回面談した3人の方々は、経営層に近い職責ないし上級マネジャー職にある日本人で、使命感をもって任務に取り組んでおられることに強い印象を受けました。日本人職員数は、その出資比率約9%に比べてやや少ないようで、この巨大事業にもっと日本人が加わると良いと感じました。このためには、日本国内でITERの重要性がもっと認識され、注目される存在になることが大事だと思います。 写真は核融合炉の真空容器の一部です。高さ約11m・幅6mのこのセクターが9個集まって、変形ドーナツ型の巨大真空容器となります。真空容器を保持する巨大な治具に注目してください。これらは、一つ一つ核融合炉棟に運ばれ、組み立てられます。
常田所長 量子科学技術研究開発機構・核融合実験装置JT-60SAを視察
量子科学技術研究開発機構・那珂フュージョン科学技術研究所を常田所長が訪問し、核融合実験装置JT-60SAの見学と関係者との懇談を行いました。JT-60SAは、フランスに建設中のITER (International Thermonuclear Experimental Reactor、国際熱核融合実験炉) の先駆けとしての役割のほかに、ITERより高い定常プラズマ圧力を実現し原型炉へつなげる役割もあります。研究所幹部の方々とは、天文学の大型計画との比較も話題になりました。JT-60SAが大きな成果をあげる予感をもって、研究所をあとにしました。
