2025年7月4日、スペイン・カナリア天体物理学研究所 (Instituto de Astrofísica de Canarias; IAC) の所長 Valentín Martínez Pillet 氏が本学を訪問しました。今回の訪問は、IACが運用する口径10.4m望遠鏡 GTC (Gran Telescopio Canarias) と、国立天文台が運用する口径8.2mすばる望遠鏡との間で進められている共同研究 (GTC-Subaru Collaboration) に関して、意見交換を行うことを主な目的とするものでした。
本学天文学研究センターからは常田佐久所長、諸隈智貴研究員、秋田谷洋研究員、国立天文台からは齋藤正雄副台長、吉田道利副台長 (オンライン参加)、宮崎聡教授・ハワイ観測所所長、冨永望教授、東北大学からは田中雅臣教授、木村成生准教授が参加し、日西共同による大型望遠鏡を活用したマルチメッセンジャー天文学・突発天体天文学の推進に向けた活発な議論が行われました。
冒頭では、常田所長より本学および本センターの概要紹介がなされ、引き続き約2時間にわたって、これまでの共同研究の成果と今後の進め方、特に重点的に取り組むべき科学目標について、特にマルチメッセンジャー天文学に重点をおいた議論が交わされました。GTC-Subaru Collaborationは、本センターの諸隈研究員が日本側の代表として、国内及びIAC研究者との協力のもと、推進しているプロジェクトです。短時間ながらも実りの多い意見交換がなされ、今後の連携の方向性が明確になる大変有意義な機会となりました。
訪問の最後には、本学が推進する高度技術者教育プログラムの現場を見学し、惑星探査研究センターの原田研究員より活動内容の紹介が行われました。Martínez Pillet 所長からは、本学のユニークな教育活動に強い関心が示され、望遠鏡・観測装置の開発を支える工学の重要性についても、会議の参加メンバーとの間で意見が交わされました。